水島協同病院の元院長で、現在ソワニエ看護専門学校の校長をされておられる松岡健一先生が、この度「医学とエンゲルス 社会医学の立場から」という大著を出版された。
マルクスと並んで科学的社会主義の創始者の一人であるエンゲルスの名著「イギリスにおける労働者階級の状態」を中心にしたエンゲルス研究の成果をまとめたもので、マルクス、エンゲルスと医師・医学者との出会い、マルクスの闘病生活などに及ぶもので、日本におけるエンゲルス研究の一つの峰を築いたと言ってもよいと言える。
私は挨拶の中でこう申し上げた。
エンゲルスは「資本主義の現実から資本主義を告発した。松岡先生のこのエンゲルス研究は、日本資本主義の現実から日本社会を告発するものだ。特に「住居と健康」の研究は、エンゲルスの方法で水島の労働者や高齢者の生活・介護と住居の研究をしており、意義深い。
「住居」問題で言えば、現在の経済危機の発端となったのが、アメリカの低所得者住宅のサブプライムローンであり、その結果、水島の労働者は職と同時に「住宅」も失っている。その意味は深い・・・。
松岡先生は今後、マルクスの「資本論」に挑戦されるとのこと。82歳にして衰えないその姿に、自らの姿勢を恥じた次第である。




