納期の約束が大幅に遅れた上に、到着日も天候の都合でさらに延びた。私はヘリの製造は時間がかかるし、視界不良では飛べないのを知っているから、さほど驚かなかったが、昨年6月議会での「ヘリ騒動」からちょうど一年目のこの遅延は、さすがに因縁としか言いようがない。
この1年を振り返って、このヘリコプターは大きなものを吹き飛ばしてしまったと思う。それは11億円もの税金投入に求められたはずの「なぜ?」という議論である。
まず第1は、なぜいまヘリコプターなのかの議論を吹き飛ばした。ヘリコプターが大きな役割を果たすとしても、岡山県の消防防災活動にとってなぜ今ヘリでなくてはならないのか、県財政危機宣言発表のなぜ今なのか、の議論は乱暴に飛ばされてしまった。
第2は、なぜ「県有」でなくてはならないのかの議論である。これまでも岡山県には、県警、
例えば病院の例を挙げるが、県立病院は精神単科であり、県立総合病院はない。しかし、県立の総合病院を求める人は皆無である。多くの病院網があるからである。
ヘリの議論もそれと同じであり、なぜ県が直接もつ必要があるのか、の議論は吹き飛ばされている。
第3は、例え県の所有のヘリが必要としても、リースという方法もある。
公用車がリース制を採用しているように、ヘリも民間借り上げでもよいのである。実際今回のヘリも運行は民間に委託されている。
ヘリ購入は、当局と議会が議論しなくてはならないこうした精密な議論を吹き飛ばして納入されたのである。
もちろん納入された以上、その運行を期待するのは当然である。しかし、これからもヘリコプターには、毎年の運行・維持管理、頻繁な点検・修繕に莫大な財政が必要となる。
まさしくヘリコプターは「揚力や浮力で飛ぶのではなく、金の力で飛ぶのである」。また、今回のように視界が悪ければ一寸も飛べないものである。
戦では神々の兵器と恐れられ、災害時には大勢の避難者の救世主となるヘリコプターも、その反面はデリケートな金食い虫でもあることを忘れてはならない。



